Iターン者の林業最前線
喋れて一人前
I さん(34歳/森林組合勤務/埼玉県)
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| 「技術だけでなく、これからの林業には、『伝える』ことも大事なんだと思う」とIさん |
鮮やかなグリーンのジャンパーに身を包んみ、現場へ指示を出す―。ユニフォーム姿のIさんは、林内でひときわ目立っていた。
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Iさんは東京都出身。環境関連の専門学校を卒業後、この森林組合へやってきた。林業の現場で働きたい、と埼玉県の林務課へ問い合わせ、「いくつか紹介してもらった中で、ここだけが話を聞いてくれまして。卒業前の平成7年からアルバイトという形で働き始めました」。
"休眠"状態だった組合に作業班ができて間もない頃だった。事務も含めて職員が少なく、ほとんどが臨時の作業班員。組織としての仕事を広く見渡せる人材が不足していた。
「木を伐りたくて林業を選んだのに、入って2年も経たないうちから、現場での作業と並行して管理や事業全般に関わる仕事を求められるようになりました」
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「林業のことをよく知らないのに、ベテラン班員に指示をしないといけなかった。大変でしたよ。とにかく教えてもらう、という姿勢で勉強させてもらいました」
ほかにも『伝える』苦労があった。「山主さんにも、いろいろな説明が必要です。自分はよそ者なので、地域の行事にはとにかく顔を出しました。顔を覚えてもらえないと仕事の話なんてできませんからね」。
現場から一歩身を引いた立場で仕事をするうち、林業の全体像が見えてきた。今では、現場管理を含めて事業関係のほとんどを担当するほか、視察やボランティアの対応など、いろいろな人と接する機会も多い。
「人に伝えるって難しいですよね。自分の考えや技術を自分なりに咀嚼して、言葉で表現しないといけないわけですから。それができて一人前だと思っています」(取材・塚本哲)
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| 運材用の2t三転ダンプ。支柱のロックを外し荷台を横に傾けると、堰を切ったように材が転がり落ちる。速く、小回りがきき、1人でも作業できる |

