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農山村の背景情報

Iターン者の林業最前線

切れる刃は仕事の基本

Bさん(53歳・森林組合勤務/群馬県)

 

   Bさん_チェーンソーの整備道具.jpg
   チェーンソーの使用時に必ず持ち歩く道具類。中央の長い棒状の物は、塩ビ管を加工して作った目立てヤスリの収納ケース

  東京から移り住み、森林組合の現業職員(作業班)として10年目を迎えるBさん。地域にもとけ込み、すっかり定着した感のある毎日だが、仕事では長い間悩み続けたことがあった。それは切れる刃を作る「刃ごしらえ」だった。
                             
 大手コンピュータ会社の営業マンとして東京で働いていたBさんが、群馬県の森林組合にIターンしてきたのは、平成6年のこと。造林の現場職員として約10年のキャリアがあるが、刃の目立てには長い間苦労をしてきたという。
「今までは、『こういう角度だからこのように切れる』『こうだと切れない』という理屈まではわかりませんでした。切れる刃のポイントがわからないので、恰好だけ真似ていたことになりますね。それで切れていると思っていました」と振り返る。厳しいが丁寧な指導に定評のある班長と、同じ班で仕事を始めたのが約1年半前。
「班長には、刃の作り方、作業の方法など、改めて理論的に教えてもらいました。その結果、『なるほど、これが切れるということか』という感じでしたね。これまで刈払機で2、3度刃を当てて切っていたかん木も、教えてもらって目立てた刃では、たった1度で切れます。世界が変わりました」
                                                    
 切れる刃がもたらしたものは、効率的な作業だけでなく、体が楽になったという実感だった。この点について、班長も「山の作業は刃ごしらえが基本。同じことをやるにも、切れない刃では効率が悪く、疲れる、危険、燃料を使う、といいことがない。同じ班として仕事をするんだから、みんなで効率を上げて、精一杯頑張ってもらいたい」と話す。(取材・塚本哲)

 Bさん_刈刃のアサリを出す道具.jpg    Bさん_叩いてアサリを出す.jpg
 刈払機の刈刃に「あさり」を出すためのレール(かなとこ)。水平部分を自分で削って角度を出す(写真で三角に見える部分)
   削った部分に刃を乗せ上から叩くと、あさりを出し過ぎずに、全ての刃に一定のあさり角を出せる。切れ味が驚くほど変わるという

 

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